宝山窯
丸皿 MARUZARA
毎日の食卓に、土のぬくもりを
副菜をひとつ、果物を少し、あるいは朝のパンを置くだけでいい。
丸いかたちはどんな料理も自然に受け止め、食卓の中心にも脇にも、なじみよく収まります。

縁のわずかな立ち上がりが汁気も逃さず、日々の食事を気負いなく支えてくれる一枚です。
使うほどに、深まっていく顔
胡麻の焼色に丸い牡丹餅の模様、木炭とワラが生む落ち着いた桟切、ワラが触れた跡が赤く染まる緋襷。
同じかたちでも、焼色によってまったく異なる表情を持ちます。

釉薬をかけない備前焼は、使い続けるうちに油がなじみ、色が深まり、自分だけの器に育っていく。
選ぶ楽しさも、使い続ける楽しさも、この一枚にあります。
使う人の顔を、思い浮かべながら
備前焼の土は、釉薬をかけない。土そのものと、炎と、窯の中の灰の動きだけが、器の色と模様を決める。
だからこそ、ひとつひとつの仕上がりに偶然が宿り、使い込むほどに表情が変わっていく。

宝山窯のモノづくりの根底にあるのは、「使う人の顔を思い浮かべながら作ること」という姿勢。

合理的であることと、人への想像力を大切にすることが、この器の土台をつくっています。
(取材・執筆:monotomoi編集部)
宝山窯
宝山窯 森敏彰さん
略歴
岡山藩公認の「備前焼窯元六姓」の直系の窯元に生まれる。備前焼を広める活動を精力的に行う。
ものづくりで大切にしていること
「窯元に生まれた」という気概と誇りを胸に、常に人とのつながりを大切にしている。使う人の顔を思い浮かべ、より良いものづくりを追及している。
仕事観・人生観
生まれ育った窯元への誇りと、合理性を大切にしながらも、人との関わりを何より重んじる。常識に縛られず、本当に必要なことを見極め、備前焼の魅力を広く伝える工夫を重ねている。使い手を想うモノづくりと、後進への支援に情熱を注ぐ姿勢が、業界全体への深い愛情を物語っている。
ストーリー紹介
室町末期から続く備前焼の名門・宝山窯の森さんは、伝統を背負いながらも、常識に囚われず合理的に未来を見据える。大学で「伝える技術」を学び、窯元体験を積極的に受け入れるなど、備前焼を多くの人に知ってもらう活動を実践。また従来の師弟制度に頼らず若手の早期独立も応援し、海外旅行の経験から得た「交流を楽しむ」姿勢で人を惹きつける。