貝山窯
花彫盃
手元に、そっと花が咲くように
お酒を楽しむひとときに、さりげない華やかさを添える盃。
使用するだけでなく、伏せて置くことで手元に花が咲いたような景色が生まれます。

日常の晩酌はもちろん、気心の知れた方との穏やかな時間にも。
何気ない所作の中に、静かな美しさを感じさせてくれる器です。
彫刻が生む、表情と手触り
花びらをイメージした彫刻が施された酒器。
裏返すことで現れる花の意匠が、使う前後の時間にも楽しみを与えます。

手に取った際に感じる繊細な凹凸が、視覚だけでなく触覚にも心地よさをもたらします。
色合いはモダンに仕上げられ、日常使いにも馴染むデザインです。
一つひとつに宿る、手仕事の表情
彫刻の表情を引き立てるため、色付けはすべて職人による手作業。
筆や刷毛で丁寧に施されることで、わずかな個体差が生まれ、唯一無二の表情となります。

内側には光を含んだような結晶釉を用い、外側とのコントラストが美しさを引き立てます。
見た目だけでなく、手に触れたときの質感まで計算された仕上がりです。
(取材・執筆:monotomoi編集部)
貝山窯
貝山窯 藤本和孝さん
略歴
高校で焼き物を学び、有田焼の専門学校を経て窯元へ入社。30歳で社長へ就任。有田焼400周年を機に自社のルーツを辿り、祖父と父の想いを受け継ぐ自社ブランド「si ku mi」を立ち上げた。
ものづくりで大切にしていること
藤本さんの祖父の“楽しい時を過ごしてほしい”という願い。父の“大勢で囲む時間を大切にしてほしい”という想い。その背景を知った藤本さんは、四海波の大皿に小皿を組み合わせた「si ku mi」を開発した。器そのものの美しさだけでなく、食卓に会話と賑わいを生むことを目指している。
仕事観・人生観
中学生の頃に父を、高校生の頃に母を亡くすという経験を経て、人と人との繋がりの尊さを強く意識されている。焼き物を通して、大切な人と囲む時間を守りたい。世代を越えて受け継がれた想いに、自らの願いを重ねながら、今日も窯に向き合っている。
ストーリー紹介
大勢が集い賑やかに食卓を囲む風景こそ、祖父や父が望んだものだと考えた藤本さんは、自社ブランド「si ku mi」を生み出した。器を介して楽しい食卓を提供し、人と人の繋がりを大切にしてもらいたいという想いが詰まっている。そこには、中高生の時に両親を失ったことで、賑やかな食卓の機会が減ってしまったという原体験があった。